3つのツールで爆速要件定義
概要
要件定義のプロセスを効率化し、精度を向上させるために、以下の3つのツールが連携します。これらのツールは、それぞれ異なる目的と役割を持ち、連携することで迅速かつ正確な要件定義の作成が可能になります。ここでは、エンジニアが理解しやすいように各ツールの役割と連携方法を説明します。
A.0⇒1:AIを使いアイディアを形にする
B.1⇒2:表形式で整合性を保ちながら要件を組み立て、AIで要約させて全体俯瞰する
C.2⇒3:ビジュアルに結合状態、トレーサビリティを確認する
A. 0⇒1:AIを使ってアイデアを形にする
このツール(RDRABootup)では、アイデアを具体的な要件定義の枠組みに変換することが目的です。AIは複数のステップを経てアイデアを要件に変換します。
例えば、サービス利用者や提供者の視点から業務プロセスを生成し、関係者や外部サービスとの関係から仕事を明らかにし、ユーザーストーリーからユースケースを生成します。
最終的には、これらの成果物がExcelのRDRAモデルに変換され、要件定義の土台となります。
以下に5つのステップでアイディアからRDRAモデルを組み立てるまでを説明します
サービス利用者の視点で業界や分野など、サービスの背景や要求を伝えてイシューと機能を明らかにする
サービス提供者の視点から、システムを取り巻く環境を背景や関心をもとに、ステップ1の機能を実現するための業務とプロセス、その内容を生成する
ステップ2のプロセスを仕事に分解するために、システムの関係者を与えて「業務、プロセス、仕事」の階層構造を生成し、仕事に関わる情報、アクター、外部サービスを生成する
仕事が洗い出せたので次にユーザーストーリーを与えて仕事に対応するユースケースを生成する
最後に上記で生成したものから情報とその関連、情報から状態モデルを生成する
5ステップで生成したものをExcelのRDRAモデルに変換する
B. 1⇒2 :表形式で整合性を保ちながら要件を組み立て、AIで要約して全体俯瞰する
表形式(Excel ,Google Sheet)の役割は、AIが生成した要件定義の枠組みをもとに、要件の精度を上げながら整合性を保って組み立てていくことです。ExcelやGoogleシート形式のRDRAモデルを使用することで、定義対象が明確であり、その並びに意味があるため、整合性のある要件を定義できます。さらに、表計算の式を使って不整合を検出することも可能です。
ダイアグラムではなく表形式で定義する利点として、配置に気を配る必要がないので、要件に集中することができ、それが定義を早くする
要件がある程度まとまった段階で、AIを使って要約し、全体を俯瞰することで新たな問題を発見できます。このプロセスにより、要件定義の精度をさらに向上させることができます。
C. 2⇒3:ビジュアルに結合状態、トレーサビリティを確認する
最後のツールでは、RDRAモデルのグラフ構造を利用して、要件のつながりをビジュアルに確認する。これにより、凝集度、結合度やトレーサビリティを分析することが可能になる
以下に代表的な視点を示す
アクター視点
アクター別にシステムの関りを見ることでユーザーストーリーを確認できる
トレーサビリティ
変更が起きやすい要素(情報、バリエーション、条件:ビジネスルール)からつながりを確認
凝集度・結合度
要素のまとまりを定義することで、塊の単位とそのつながりを早い時点から検討できる
バックログの単位
全体俯瞰で塊を確認することでどこから進めるかを議論できるようになる